第192章 彼は誰だ!

「少し痛むぞ。我慢しろ」

宮本陽叶は彼女の異変に気づかず、しゃがみ込んで傷の消毒に集中していた。

ふと、額にひんやりとした感触が走る。

顔を上げると、福田祐衣が手を上げたまま、気まずそうに彼を見下ろしていた。

「あの、髪が落ちてきてたから」

陽叶は何も言わず、その深く静かな瞳で彼女を見つめた。何かの感情を必死に押し殺しているかのようだ。

「リリリリン」

唐突にスマートフォンの着信音が鳴り響く。

祐衣はハッと我に返り、飛び上がるようにして身を引いた。

慌てて少し離れた場所へ移動し、通話ボタンを押すが、心の中では激しく後悔していた。

(何やってんのよ、私!)

(陽叶に変な誤...

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